CD-ROM「イバラードの世界」でニーニャは、魔法使いの名前について、このように語っています。
「魔法使いは、本当の名前を決して明かさないのよ。 右下図):CD-ROM「イバラードの世界」より |
なるほど、魔法使いのニックネームを知ると言うことは、魔法スタイルを知ることと同じらしい。つまりニーニャのニックネームが分かれば、彼女の魔法も知ることができます。ところが、CD-ROM「イバラードの世界」で彼女は、自分の事について面白いことを言っています。
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ニーニャの店 '96 (部分)
このページの内容 |
注)このページの画像は全て、井上先生のご厚意で使わせて頂いています。 コミックは、「 イバラード物語」より。 |
ニーニャは「イバラード物語」でもっとも重要な人物の一人。
しかし彼女には、とても謎が多い。ファンならかなり気になる所。
但しその一方で、この秘密があまり明かされない方が良いような気もします。
何故なら、秘密は多い方が、そのイメージはより自由に無限に広がるからです。
この点について以前、一つの説を書いてみました。その1からその3までは「コダツノ大学・公開セミナー」に書き込んだものです。図表と参考資料を添えた上、加筆修正してここに掲載しました。
実はこのときの内容が、ibalard chronicleを書き始めるきっかけになっています。
ということでresearch編でも、最初のテーマに取り上げました。
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ニーニャに関しては、「イバラード物語」やCD-ROM「イバラードの世界」で、幾つかのことが解っています。手始めに、それを一つ一つ整理してみましょう。
(1)ニーニャの人物像について
(2)ニーニャの人間関係について
(3)ニーニャの暮らしぶりついて
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さてニーニャの情報を整理すると、改めていろんな疑問が浮かびます。
そのような疑問を、大きく8つに整理しました。
以下、一つ一つを取り上げて、詳しく検討します。
「コミック版・イバラード物語」の中では、ニーニャは強力な魔法使いと言うことになっています。ところが「イバラード物語」を読むと、ある事に気付きます。
それはニーニャが、魔法を使う姿をほとんど見せていない事です。
ただ例外として「入門編・ソルマの使い方」の章で、一度だけ地味にタキオの魔法を手伝っています。そこで彼女の魔法を検証してみたいと思います。
(補足):魔法使いと髪の毛について
ニーニャは、腰まで届く長い黒髪をしています。
そして通常は、頭の後できっちりとお団子にしてまとめています。
しかし魔法を使う時は、下のイラストのように、必ず縛っていた髪の毛を解きます。実はイバラードの魔法使いは、男女ともに髪が長い。
通常は短く束ねていますが、魔法を使うときには、このように長く垂らします。
これは髪の毛が、思念を放出したり、受信したりするアンテナのような役割を果たしているからと考えられています。魔法使いによっては、過敏なアンテナになるのを嫌って、髪の毛を短く刈る人もいます。
またタキオ(下イラスト右上、左中央)の様に、魔法を生業としている場合、ミディアムの長さにして、髪を結んだり解いたりと言う煩わしさを避ける人もいます。
子供の魔法使いも、ノピサ君(下イラスト右中段)のように、ミディアムで刈り込むことが多いようです。なのでイバラードの子供は、男の子なのか女の子なのか、一見して分からないことがあります。
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CD-ROM「イバラードの世界」でニーニャは、魔法使いの名前について、このように語っています。
「魔法使いは、本当の名前を決して明かさないのよ。 右下図):CD-ROM「イバラードの世界」より |
なるほど、魔法使いのニックネームを知ると言うことは、魔法スタイルを知ることと同じらしい。つまりニーニャのニックネームが分かれば、彼女の魔法も知ることができます。ところが、CD-ROM「イバラードの世界」で彼女は、自分の事について面白いことを言っています。
「私の魔法のスタイル? |
はて「回りから誰もいなくなる」とは? またニーニャほどの魔女が、上記の様に話せば、若い女性らしい思わせぶりなジョークと思うかも知れません。 参考リンク):「本当のことを言っていたニーニャ」 |
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ニーニャの魔法を知る手がかりは、他にないのでしょうか? 実はもう一つ、重要なヒントがあります。 それは、ニーニャの店がタカツング兵士に襲われた時の事。 |
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この時ニーニャは意外にも、ブラウジーを守るため、リグダ(いわゆるライト・サーベルのこと)を振り回しています。 左図):タカツング兵士と闘うニーニャ |
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確かに「イバラード物語」を読むと、この手の道具が魔法使い達によって、マッチやランプ代わりに使われているようです。 しかしこのシーンからは、ニーニャの隠れたもう一つの姿がうかがえます。 ニーニャは魔法の他に、かなりの武道の心得があると思えるのです。 |
謎2)ニーニャのおじいさんが、二流の魔法使いになった本当の理由
コミック「イバラード物語」では、「ニーニャのおじいさんは、めげゾウを見て魔法使いとして二流になった。」と説明されています。
はたしてニーニャのおじいさんとは、何者でしょう?
コミックの中では、このシーンだけにしか登場しない人物です。
めげゾウと出会うまで、いったいどういういきさつがあったのでしょう?
それは、単なる事故だったのかも知れません。
それともあるいは……全く情報がないので、想像ばかりが膨らみます。
このHPでは、ちょっと面白い仮説を立ててみます。
それはニーニャのおじいさんが、めげゾウにかこつけて引退を決め込んだという説です。これについては、次章で詳しく検討します。
下図):めげゾウ発見!
)
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いっさいどこにも触れられていない、ニーニャの両親の消息。
はたして、どこへ行ってしまったのでしょうか?
このことと、おじいさんが魔法を使えなくなった(使わなくなった)ことと関連があるかもしれません。
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ノナ家はイバラードが存在する上で、大きな役割を果たしています。
ではニーニャはノナ家と、どんな関係にあるのでしょう?
単に、タルーラとブラウジーのベビーシッターで無いことは明確です。
それは政治的な案件について、ノナ氏やセルパから相談を持ちかけられていることからもわかります。
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魔女タキオとニーニャとは、どんな関係にあるのでしょう? 見たところ、ニーニャとタキオとは、得意とする魔法の分野が違うようです。
タキオが、「ソルマの具現化」を得意とする事は良く知られています。おそらくタキオは、ソルマ加工専門の魔法使いでしょう。そしてそのための設備として、巨大なミストラルケイブを持っている(管理している)と思われます。
右図):ソルマを創り出すタキオ
ちなみにタキオは、20代中頃と思われます。
ミストラルケイブは、造り上げるまでに非常に長い年月と労力を必要とします。このような設備の所有者として、タキオの年齢が若いのも気になることです。この件については、第三章「イバラードトリニティ」の項目で詳しく検討します。
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ニーニャは、子供向けの小さな駄菓子屋の女主人ということになっています。
しかしその実態は、イバラードでは知る人ぞ知る魔女の一人。
若いタキオさえミストラルケイブの様な施設を保有しているを考えると、あまりに地味な暮らしぶりです。
ただし、この小さなお店の裏には、不思議な住まいが隠されています。
この住まいについては、7番目の謎として取り上げます。
ニーニャの地味な暮らしぶりについては、うがった味方をすれば、あえてそれを選んだとも考えられます。そのような場合、以下のような理由が考えられます。
A)ニーニャには、裏家業がある。
B)ニーニャには、自分の魔法を仕事としたくない理由がある。
A)の様な表現をすれば、かなり危ない人みたいです。
確かに彼女が、この店以外に何らかの仕事を持っている可能性は否定できません。
まあ例えそうだとしても、それはコンサルタントとしてフリーであるためであって、別にイバラードの人々にとっては秘密でもなんでもないのかもしれません。
しかし、それでもなお疑問は残ります。ニーニャほどの魔女なら、様々なエージェントから魅力的な勧誘もあるだろうと考えられるからです。なのに、ニーニャがフリーランスの魔法使いでいるのは何故? それは 多分にB)の要素が考えられます。
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ニーニャの住居は、店の奥のドアから、地下へ下ったところにあります。
しかし不思議なことに、この住居へと続く通路は、店の外側から見えません。
つまり彼女の住居は、外からは見ることも入ることも、決して出来ないのです 。
下図):ニーニャと後のドア
ニーニャの店から住居へと抜ける通路は、ゆるい階段になって下へと続いています。
その壁と天井は、水族館か温室みたいなガラスのアーチになっていて、外には森が広がっているのが見えます。
下図):ニーニャの住まいへの通路
ニーニャの店はメーキンソー池と隣の、野原にぽつんと建っている小さな店です。
その小さな外見からは、この店の奥に通路があって、その先に大邸宅があるとはおおよそ見えません。まるでこの通路は、空間を越えてワープする抜け道のように見えます。しかも地下に潜ってゆくように見えますが、決してニーニャの住まいが地下にある訳ではなさそうです。
何故なら、コミック・「イバラード物語」では、住居の外に雨が降っている様子が描かれているからです。
但しこの雨にしても、ニーニャの住まいだけの仕掛けなのかもしれません。
本当に雨が降っているとは限らないのです。なにしろ、あらゆる出来事が、不確かなイバラードですから。
右図):ニーニャの住まい
なおコミックでは、ニーニャからお茶にご招待されたブラウジーは、とても大喜びしています。この事に関して井上先生は、こう仰っています。
「この住居に、ブラウジーが関心を示しているのは、それなりに何か理由があるのかも知れません」
これはなかなか意味深です。
つまりこの住居には、何か隠された機能があるのかも知れません。
そしてそれはニーニャ、もしくはニーニャのおじいさんが住むことで、役割を果たすとも考えられます。
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ニーニャはおそらく、30歳前後の落ち着いた女性でしょう。
では、ニーニャは結婚しているのでしょうか?
多分、結婚はしていないと思います。
彼女のように魅力的な美人さんなら、求婚された事もあったでしょう。
しかもニーニャは、とても子供好きに見えますから、自分の子供も欲しいはず。
なのに、彼女はどうして独り身なのでしょう?
彼女には結婚しない(出来ない)理由があるのではないでしょうか。
そこでまず、なにか重要な仕事に没頭していた(いる)可能性を考えてみます。
ずっと、今の小さなお店だけをやっていたなら、そんなことは無いでしょう。
ですからイバラードのかなり重要な役割を担っていた(いる?)可能性もあります
前述の6〜7番目の疑問に関連しますが、ニーニャがそこに住んでいること自体、既に重要な役割があるのかもしれません。もしそうだとすれば、ニーニャはイバラードにとって、神聖かつ不可侵な「巫女」のような存在である気もしてきます。
しかしこれは、微妙な問題でもあります。というのも、イバラードでの結婚形態が全く分からないからです。そもそも魔女の年齢そのものが、よく解りません。 僕らの人生観、結婚観が、同じように通用するとも思えません。
ただここでは、「イバラードで起きることは、僕らの世界の通念がそのまま反映している」という仮定を拠り所とします。
もっとも僕等の世界でも、ライフサイクルが劇的に変化してますけどね。
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次章では「8つの謎」を元に、ニーニャの人柄についてさらに推理します。
ただこの事を考える前に、イバラードの歴史を検討することが必要です。
さもないとニーニャの重要さや、人間関係が見えてこないからです。
次ページは、思い切ってイバラードの歴史について大胆に掘り下げます。
と言うわけで、次回のテーマは「イバラード・サーガ」について。
2000年9月3日: 記
2003年9月21日:追記
2006年1月25日:修正